サンプルの許諾の取り方、費用・手順・置き換え

サンプルの許諾を取るのは、サンプリングで誰も好きではない部分だ。曲を成立させているループがあり、出す前に「はい」と言わなければならない権利者がいる。多くのプロデューサーは、ディストリビューターがリリースに警告を出したあとで、嫌な思いをしながら許諾の取り方を学ぶ。
なぜ許可一つでは足りないのか
リリースされたレコードは二つの著作権をまとっている。マスターは実際の録音で、レーベルか、そのために金を払ったアーティストが持つ。楽曲はその下にある歌で、作者とその出版社が持つ。サンプルは録音から音を取り出すので、両方に触れる。
二つの権利、二人の所有者、二つの会話。レーベルをクリアしても出版社をクリアしたことにはならず、アーティストへのメールはどちらもクリアしない。ヴィンテージのレコードには2小節のドラムブレイクに関心を持つ出版社がいないこともあり、現代のヒットには作者が4人、レーベルが3社いることもある。
5つの手順でサンプルの許諾を取る
順番が重要で、費用の大半は最後の二つに乗っている。
- 出所を特定する。曲名、アーティスト、年、そして使った正確な秒数。パックやリップから来たなら、まずどのレコードから来たのかを突き止める。
- 所有者を探す。マスターはたいていリリースしたレーベルに、楽曲は作者と出版社にある。クレジット、PROのレパートリー(ASCAP、BMI、PRS)、ライブラリのカタログが正しい主体へ導く。
- 書面で頼む。サンプルはどれか、何秒使うか、曲はどこへ行くのか、どのフォーマットが必要かを明記する。
- 条件を交渉する。たいていはロイヤリティに対する前払い、出版権の分配、あるいはその両方。大きな権利者ほど多くを求め、小さいところは分配だけで済ませることもある。
- リリース前に署名する。契約には地域、期間、媒体を書く。口頭の許可はディストリビューターには何の意味もない。
遅いのは2番目の手順だ。メジャーには許諾の順番待ちがあり、リリース歴のないアーティストに割く余裕はほとんどない。だから多くのプロデューサーはこの仕事を許諾代行サービスに渡す。
サンプルの許諾にかかる費用
価格表はない。支払う額は、サンプルがどれほど聞き覚えがあるか、誰が持っているか、リリースがどれくらい大きいかで決まる。60年代の無名レコードのドラムループと、有名なフックの3秒では、まったく別の会話になる。
繰り返し出てくる形は二つ。ロイヤリティに対する定額の前払いと、出版権の分配だ。両方を求める権利者もいる。サンプルが曲そのものなら、そういう目で判断すること。前払いは勝てる賭けで、分配は期限が切れない。
先にリリースするのは無料の選択肢ではない。捕まれば、収益を向こうへ流す申し立て、削除、あるいは書類を出すまでリリースを止めるディストリビューターのいずれかが来る。
置き換え(インターポレーション):同じ問題の安い版
インターポレーションは、元の音声を持ち上げる代わりに、別の楽器や新しい歌で他の曲の一部を演奏し直す。マスターは飛ばせるが、出版社は決して飛ばせない。楽曲とその作者の同意は依然として必要だ。
多くの場合こちらのほうが良い取引になる。セッション・プレイヤーや自分のキーボードには決まった費用がかかり、有名な録音を手放すレーベルはない。失うのは質感で、その粒立ちこそ多くのboom bapが追いかけているものだ。
許諾がまったく要らない道
正当な道が三つあり、弁護士を部屋から完全に締め出せるのは最後の一つだけだ。
- ライセンス済みのライブラリ。Tracklibのようなサービスは、レコードがカタログに入る前に権利者と条件を合意しているので、そこで買うサンプルはすでに持っているライセンスだ。
- サンプルパック。ロイヤリティフリーのループで書類も不要。代わりに誰もが持っているので、仕事はアレンジへ移る。
- ゼロから作るビート。プロデューサーが作ったビートはそのプロデューサー自身の著作権なので、関わるライセンスはその一つだけだ。Happy AFのようなインストには追いかけるサンプルがなく、残りはboombapのカタログやカタログ全体がカバーする。
リリースのあとではなく、払う前に聞く
ビートを買っても、そのビート自体がクリアされるわけではない。プロデューサーがレコードを切り貼りして何も言わなかったなら、申し立ては数か月後にあなたのリリースへ届く。プラットフォームが楽曲を認識し、金を止めるのだ。だから直接聞くこと。このビートには、何かサンプルが入っているか。
良い答えはライセンス、ステム、そしてビートが自分の作品だというプロデューサーの言葉とセットで来る。ライセンスはプロジェクトのファイルの隣に置き、領収書はすべて取っておく。書類があるかどうかが、申し立てとちょっとした面倒の違いになる。
よくある質問
2秒だけなら許諾はいらない?
いる。著作権に長さの基準はなく、問われるのは出所が特定でき、使われているかどうかだ。短く目立たなければ申し立ての確率は下がるが、確率はルールではない。
弁護士なしでサンプルの許諾は取れる?
多くの場合は取れる。権利者が一つで、クレジットの連鎖が明確で、リリースが小さいなら。作者が複数いたり、未請求の出版権やメジャーレーベルが連鎖に入っていたりすると、弁護士や許諾代行サービスの報酬はそれだけの価値になる。
未許諾のサンプル入りの曲をリリースしたらどうなる?
コンテンツの申し立てでロイヤリティが権利者へ渡るか、削除で曲が消えるか、ディストリビューターがライセンスを提示するまでリリースを凍結する。後から許諾を取ることは可能だが、曲が公開されたあとのほうが高くつく。
プロデューサーから買ったビートに許諾は必要?
そのビート自体には不要だ。プロデューサーのオリジナル作品で、ライセンスがそう書いているなら。問題は、あなたに何も言わずにサンプリングするプロデューサーで、その場合も申し立てはあなたのリリースに届く。

